私はインド文化初心者で、恥ずかしながらディワリ(Diwali)について詳しく知りませんでしたが、SNSで流れてきた投稿をきっかけに、このお祭りに興味を持ちました。インドや世界中で祝われるディワリは、「光の祭典」とも呼ばれるインド最大の祝祭です。SNSでも、#Diwali、#HappyDiwali、#DiwaliFestival、#FestivalOfLightsなどのハッシュタグで多くの投稿が見られます。しかし、なぜ人々はディワリを祝うのでしょうか?インドの神話やスピリチュアルな要素を通して、その背景を紐解いてみましょう。
ディワリの由来:神話と歴史
ディワリは、主にヒンドゥー教の神話に基づいており、いくつかの伝説がその起源とされています。その中でも最も有名なエピソードが、ラーマ王子の帰還にまつわるものです。ラーマは、「ラーマーヤナ」と呼ばれる叙事詩に登場する英雄であり、正義の化身とされています。悪の王ラーヴァナを倒したラーマが、14年間の追放生活を終えてアヨーディヤに帰還する日を祝うために、街中に灯火がともされました。これがディワリの「光を灯す」という習慣の始まりだと言われています。
また、別の伝説では、繁栄と豊穣の女神ラクシュミがこの日に誕生し、人々に幸運をもたらすとされています。そのため、ディワリはラクシュミへの祈りと感謝の日でもあります。多くのインド家庭では、女神ラクシュミへの供物を捧げ、家中を清める儀式が行われます。
スピリチュアルな意味:光と闇の象徴
ディワリのスピリチュアルな意味には、「善が悪を打ち破り、光が闇を追い払う」という象徴的な要素が込められています。インドでは、ディワリの期間中、家や街の至るところにディヤ(小さな土製のランプ)を灯し、暗闇を明るく照らします。これは、心の中にある闇を追い払い、幸福と平和を呼び込む行為とされています。
また、インドの人々にとってディワリは、新しい始まりを象徴しています。この日は人々が家を清掃し、古いものを捨て去り、新たな気持ちで次の年を迎える日でもあるのです。こうしたスピリチュアルな意味合いも、ディワリがインド人の生活に深く根付いている理由の一つです。
訪れるべき聖地:ヴァラナシとアヨーディヤ
ディワリの期間中、インド全土で盛大な祝祭が行われますが、特にヴァラナシとアヨーディヤは訪れる価値のある聖地です。
ヴァラナシ
ヒンドゥー教の聖地であり、ガンジス川沿いの美しいガート(階段状の川岸)で行われる「ガンガ・アールティー」という儀式は圧巻です。夜になると、数千のディヤが川に浮かべられ、その光が水面に映り、幻想的な景色が広がります。
アヨーディヤ
先述したラーマが帰還したとされる場所で、ディワリ期間中には特別な祝賀行事が行われ、ラーマの物語を再現する演劇やパレードが街中で催されます。アヨーディヤはラーマ崇拝の中心地としても知られており、多くの参拝者が訪れます。
有名な美術品:ラクシュミの彫刻と絵画
ディワリに関連する美術品の中で、女神ラクシュミを描いたものは特に人気です。ラクシュミが蓮の花の上に立つ姿を表現した彫刻や絵画は、インド各地の寺院や家庭で見られます。彼女の姿は「富と繁栄」の象徴であり、ディワリにおいて家庭やビジネスが繁栄することを祈るために飾られます。
ディワリの日程
2024年のディワリは、10月29日(月)から11月3日(日)の5日間かけてお祝いされました。
ディワリの日程は毎年少しずれるため、正確な日付は毎年確認する必要があります。ディワリは、ヒンドゥー暦の暗新月(アマバस्या)に合わせて行われるため、太陰太陽暦に基づいて日付が決まります。
まとめ
ディワリは、ただのお祭りではなく、インド文化や神話、スピリチュアルな側面が詰まった祝祭です。光の祭典として、インド全土で様々な形で祝われるディワリを通して、私たちは「光が闇に打ち勝つ」という普遍的なテーマを目の当たりにします。
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