南インドの定食“ミールス”を初体験!バナナの葉に広がるケララの食文化

インド料理

インド料理って聞くと、「ナンとカレー!」ってイメージがまだまだ強いかもしれません。でも南インドに行くと、ぜんぜん違う景色が広がってるんです🌴

その象徴的な存在が、ミールス(Meals)と呼ばれる南インドの定食スタイルのごはん。バナナの葉の上に、おかずやライスがずらりと並ぶこのスタイル、初めて見た時は「えっ、これ全部ひとり分!?」って思わず笑っちゃいました🍛

ミールスの特徴は、とにかく「混ぜて楽しむ」こと。サンバル(豆と野菜のスープ)やラッサム(酸味のあるスープ)、野菜の炒め物、ピクルス、パパド(豆せんべい)…ひとつひとつのおかずを、ライスと混ぜながら食べていくんです。

味はもちろん、香りや食感のバリエーションがすごくて、食べるうちにどんどん自分好みの味に仕上がっていくのが面白いところ。

「ターリーとの違いは?」って思う人もいるかもしれませんが、ざっくり言うと、ターリーはお皿+小鉢型の盛り付け(主に北インド)、ミールスはバナナの葉に直接のっけていく南インド流って感じです💡

現地で食べたミールス体験記(アレッピー)

私が初めてミールスを食べたのは、ケララ州のアレッピー。バックウォーターで有名なこの街で、ローカルな食堂に連れていってもらったのがきっかけでした。

席に着くと、バナナの葉がテーブルにどーんと敷かれて、そこから始まるのが南インド式🍃料理はひとつひとつ丁寧にサーブされていくんですが、何をどこにどう置くかなんて、こちらは完全におまかせ(笑)手際よく次々と盛られていくおかずたちが、どんどん葉の上を彩っていきます。

そして、ちょっと驚いたのが「ご飯が熱々じゃない」こと。日本ではご飯って「湯気が立つほど熱い」が当たり前だけど、ここでは手で食べるのが前提だから、ちゃんとその温度に調整されてるんですよね。最初は「ぬるい!?」って思ったけど、よく考えたらそれが自然で合理的。

あと、初めてケララ米を食べたのもこのとき。「インド=細長いお米」のイメージだったから、ケララ米のもっちり・粒立ち系の食感にはびっくり。日本のお米ともまた違う、しっかりと“噛んで味わう”お米でした🍚

香ばしいパパドの音、スパイスの立ち上がる湯気、ライスの湯気と一緒にふわっと香るバナナの葉の青い香り──もうその時点で、完全に心奪われてました🌿

食べ方のルールは特にないけれど、「混ぜて自由に、自分の“好き”を見つけていく」って感じ。最初はサンバルだけ、次にポリヤルを混ぜて…ピクルス入れてちょっと酸味を足して…一口ごとに新しい発見があるんです。

ちなみにこのときのミールスは完全ベジ。でも物足りなさなんて1ミリもなかったなぁ。スパイスの使い方が上手だから、どのおかずも主役級の存在感でした🔥

ちなみにこのときの様子は、私の旅Vlogでも紹介しています。ミールスを囲む空気や音、スパイスの香りまで感じられるような映像に仕上げたので、よかったらぜひ覗いてみてください🌿

ミールスの構成やバリエーション

ミールスって、見た目も鮮やかだけど、よく見るとそれぞれのおかずがちゃんと役割を持ってるんです。ぜんぶがスパイシーってわけじゃなくて、味のバランスがものすごく計算されてるのがすごいところ。

たとえば、こんなラインナップがよく登場します👇

  • ライス:ベースになる主食。南インドではサラッとしたインディカ米か、ケララ米が主流。
  • サンバル:豆と野菜の煮込みスープ。優しくて深い味わいで、安心感のある一品。
  • ラッサム:トマトとタマリンドを使った酸味のあるスープ。食欲を刺激してくれる🔥
  • ポリヤル:ココナッツとスパイスで炒めた野菜。シャキシャキ感がうれしい。
  • アチャール(ピクルス):ちょっとクセのある酸っぱ辛い漬物。少量でパンチあり!
  • パパド:パリパリの豆せんべい。食感のアクセント&ちょっとしたお楽しみ。
  • ヨーグルト(カード):最後にお腹を落ち着かせる、やさしいフィニッシュ。

そして何より大事なのが、「混ぜる」っていう発想。おかずの味をライスとどう掛け合わせるかで、味がどんどん変化していくんです。

「自分だけの配合を見つける楽しさ」があるっていうか、一皿なのに、途中で何度も“はじめまして”がある感じ。これがミールスの面白さ。

しかも、地域やお店によって内容がけっこう違ってくるから、「毎日ミールスでも飽きない」って南インドの人が言うのも納得なんですよね。

バナナリーフ文化の話

ミールスの話をすると、やっぱり外せないのが「バナナの葉」。あれ、ただの飾りじゃないんです。ちゃんと理由がある。

まず、葉っぱ自体にほんのりと青い香りがあるんですよね。そこにあったかいライスがのると、ふわっと香りが立って、まるで自然のアロマ。五感がゆる〜っと開いていく感じがして、最初のひと口に向けて気持ちが整うんです。

それから、食べ終わったあとにそのまま畳んで捨てられるっていう手軽さもポイント。ケララでは昔から、日々の食事にバナナリーフを使うことが多くて、「地産地消」「プラスチックゼロ」「水で洗えば再利用OK」という超・合理的でエコな食器として根付いてるみたい。

日本では「旅先での特別な体験」だけど、向こうでは「毎日のごはん」に使われてるのがすごい。

ちなみにわたし、食べ終わったあとに“葉っぱごと手でくるんで片付ける”という行為が、妙に気持ちよかったのを覚えてます。なんかこう…自然と自分も、食べ物の循環に溶け込んでる感覚っていうか。

自然と一緒に暮らすケララの人たちの知恵、そこにはやさしさと効率がちゃんと詰まってました🌿

日本でミールスを楽しむには?

南インドまで行かなくても、実は日本でもミールスは楽しめるんです🍛✨

特に東京・大阪など都市部には、南インド料理を専門に扱うお店がじわじわ増えてきてて、ミールスをちゃんと「現地スタイル」で出してくれるお店もあります。

バナナの葉はさすがに再現が難しいけど、ステンレスのトレーに小鉢を並べて、あの“混ぜて食べる文化”を感じられるスタイルが多いです。

お店によっては、ベジ・ノンベジ選べたり、サンバルとラッサムがおかわり自由だったり、かなり本格派。南インド出身のシェフがやってるお店もあるので、旅の記憶がフラッシュバックするような味に出会えるかも。

あと、最近は冷凍やレトルトでおうちミールスを楽しむ人も増えてきてます。南インドの定番おかずが数種類セットになっていて、「混ぜて食べる」の体験は意外としっかりできるんですよね。

もちろん、完璧に再現するのは難しいけど、「この組み合わせ、あのときの味に近い!」って思えた瞬間が、ちょっと嬉しくなるんです。

まとめ:ミールスの魅力って?

ミールスって、単におかずがたくさんのってる豪華な定食…ってだけじゃないんですよね。

混ぜながら、自分の好きな味を見つけていくプロセスとか、その土地の空気をまるごと味わってるような感覚とか──食べてるうちに、心の奥がじんわりとほぐれていく不思議なごはんでした。

バナナの葉の香り、スパイスの余韻、ぬるめのライスのやさしさ。どれも、慣れ親しんだ日本の定食とはまるで違うけれど、「ちゃんと食べたなあ」っていう満足感だけは共通してる気がします。

南インドの食文化がぎゅっと詰まったミールス。もしどこかで出会う機会があったら、ぜひ一度“混ぜて”みてください。

その一皿の中に、たしかに旅がある。

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